「院長挨拶」のページなどでも紹介したとおり、当院院長は、大学時代に詰め物、被せ物、入れ歯、ブリッジといった「補綴」を専門分野として学び、以後自ら入れ歯などの作製を行い、腕を磨いてきた時代がありました。現在でも、補綴物作製には特別なこだわりをもってあたっています。
そんな院長が、睡眠改善のためのマウスピースをつくったことで気づいたのが、「咬み合わせ」の重要性です。顎の痛みや歯ぎしり、食いしばりといった口腔内の力に関わる症状と睡眠障害を結ぶ鍵が「咬み合わせ」であることを認識した院長は、『咬み合わせ医療会』という研究会を探し当て所属しました。
この医療会は、咬み合わせ(=咬合調整)の専門家である会長(白井一男先生)を中心に、独自の医療理論をベースに一層快適な入れ歯作製と使用のノウハウについて研究する場で、いわば「痛くない、心地よい入れ歯」「保険でもよい入れ歯をつくろう」ということを追求している歯科医師の集まりです。
「咬み合わせ医療会」にはいくつかの方針があり、院長もこれまでに培ってきた入れ歯作製の技術の上に、この医療会の方針や知見を取り入れ、新たな気持ちで入れ歯を丁寧に作製しています。医療会が指針としているのは、主に患者さまが入れ歯を装着して噛み締めたときの微妙な咬み合わせの高さや距離、顎や筋肉の動きやそのポイントなど、通常の入れ歯作製では考えられないほど微細な基準や作製の要点です。そこから、独自の咬合調整を行うことを研究し、実践しているわけです。
仲村院長がこの医療会で学んだ成果として、現在、実践している治療のひとつが「咬合器」という医療機器によるチェックを取り入れた入れ歯作製です。作業としては、口腔内の咬み合わせを再現できる咬合器を使い、お口の外で理想的かつ繊細な咬み合わせ調整を行った後に、お口に戻して咬み合わせを確認をします。そうやって少しずつ調整していくことで、快適な入れ歯が完成するのです。
この方法だと、一般的な入れ歯の作製にかかる期間より、工程数が多くなるため、通院回数や期間が長引いたりする可能性がありますが、これも快適な入れ歯のためと患者さまにはご理解をお願いしています。短期間で入れ歯を作製し、噛み合わせがあっていないままだとその後の通院回数が増え、患者さまにとっても負担が大きくなります。ただ、入れ歯の作製期間に十分な時間を費やし、噛み合わせまでしっかりと調整することで、その後の通院回数は少なくなると考えています。
この医療会で多くを学んだ院長は、ときに研究発表なども行い、ますます知見を深めています。医療会の指針のもと、院長がいつも患者さまに語るのは、「入れ歯は一度つくったら終わりではありません」ということ。入れ歯は使っているうちに、緩みや痛みが生じることも少なくありません。ただ、それを我慢してしまう患者さまが多いようですが、当院では、使用している入れ歯に不具合や気になるところが生じたら、すぐにご相談ください。患者さまがより快適に過ごせるようにお手伝いをします。